目を開くと、あたりは暗闇だった。
いや、正確には暗闇かどうかもわからない。
右も左も上も下も、自分がどこにいて、果たして目を開いているのかすらもわからなかった。
そこへ突然、光が生まれた。
光は扉の形となり、その扉が開かれた。
そこから現れた人影はもっとも見たくない人物の形をしていた。
「どうも〜」
「貴様はぁ!ダウト!!」
「ここは気に入っていただけましたか?」
「気にいるも何もここは一体どこだ?貴様どこから現れた?」
「そうですねぇ、一言で説明するなら僕の空間へあなたを招き入れました」
「貴様の空間…だと?そいつぁ一体どういう事だ?」
「あなたは僕に対して『腐れ縁』という言葉を使いましたね?
僕、思うんですよ。
何度生まれ変わっても、どの世界に行っても、どうしても出会ってしまうのが『腐れ縁』だと。
だったらまわりくどい事をせずに、あなたを僕の空間に入れてしまえばいいのだと。
永遠に」
「・・・何がどうしたらそういう理屈になるんだぁ?」
「それに、こうすることがカムリさん達のためにもなるし、僕にとっても都合がいい」
「たしかに全員にとってグッドエンドかもしれねぇなぁ。
俺を除いては、な」
「ふふ」
「ハハ・・・ダーハッハッーー!!っふざけんじゃねぇ!!!!」
「おやおや〜お気に召しませんでしたか?」
「お気に召すと思っている貴様の飄々とした態度が気にくわねぇ!!気にくわねぇゲロッパー!!」
「でも、これはあなたのためでもあるんですけどねぇ」
「・・・いいだろう。俺のためというのなら、そのことがわかるまではせいぜいここで隠居生活を楽しませてもらおうじゃねぇか。だがしかーーし!!
貴様の首をいつでも狙っていることは覚えておくんだな」
「わぁお。では僕は首を洗って待つことにします」
「おとなしくするかわりに、1つ条件がある」
「何でしょう?」
「世界中のありったけの対戦ゲームを持って来い」
「対戦ゲーム?対戦相手もいないのに?」
「貴様がいるだろう。ダウト」
「これはこれは光栄です。では、すぐにお持ちしましょう」
「あと、メイク落としとメイクセット、爪磨きに…」
「また来ます」
そして、扉は閉ざされる。
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何だかんだと注文の多いジョーカーさん好き(笑)